しづき



白に噛み付いた私。

血が出るほど深く刻んだ跡。

刺激に漏れた白の声。



「…っ!!」



ぶわわっと、沸騰したみたいに全身が熱くなる。



「つ、付けない、です!」



想像以上に大きな声が出てしまい、火照りを隠すために顔を逸らす。



自分からしたことなのに、思い出して熱くなるなんて。



き、き、気持ち悪いやつじゃん。



「?、汐月、どーしたの?」



様子のおかしい私を見兼ねて白が顔をのぞきこんでくる



「な、なんでもな」


「なんでもないわりには真っ赤だね」


「見ないでくださいっ」



全力で両手で顔を覆う。



恥ずかしさと白にバレたくないって気持ちでいっぱいだった。