しづき



「これ、いつのまに…っ」



おもわず体勢が前のめりになる。



「ふふ。朝方、汐月が寝てるところにお邪魔して付けちゃった」



…なにが「付けちゃった」だ。



プライバシーもへったくれもあったもんじゃない。



…って、この家は監視カメラだらけだからプライバシーなんて概念は消滅しているんだった。



今さらながら頭を抱えたくなる。



もっとよく見れば、シールのすぐそばに赤い痕がぽつりと付いていて。



「これ…」


「名前以外にも刻んどこーかなって思って。汐月はぼくのものだし」



にっこり笑うその綺麗な顔にぞくりとした。



際限のない独占欲。



好きな相手を誘拐監禁してしまうだけある。