私が今このおかしな状況で、こんなにも恐怖を感じないのは、きっとこの人の纏う空気感のせいだ。 ふんわり、ぜんぶを包み込んでしまうような。 私のことをまるですべて分かっているような。 男性なのに母親のような安心感を覚えてしまうような。 そしてなにより匂いが好き。 無条件に落ち着いてしまう。 「よしよし、大人しくていいこだね」 優しい、やさしい、声。 こんな人はじめてだ。