「汐月はぼくの。ぼくだけの。
奪おーとするやつは、誰であろうと容赦しないから」


「……」


「だから汐月もちゃんといいこにしてるんだよ?
ぼく以外の人間を好きになるなんて許さないからね」




妖しい瞳が私だけを映す。


白はそのまま私の唇の端にしっとりと口づけた。



わからないひと。

まだ私が白のことを信用していないことを汲み取っているからか、唇の真ん中にはしてこない。


へんなところで気を遣う白。



誘拐監禁してしまうほど私が好きで

目の前に獲物がいるっているのに、食いつくことのできないもどかしさ。




そんな


ひたすらに溜まっていく手の届かないやるせなさをぶつけるように


白は私に刻んだ自身の名前を
優しく甘く、たまに痛みを伴って



粘着質にいじめ倒したのだった。