そして見つける。 この部屋に、この建物自体に 異様に多いものを。 「──白」 ぽつり、呟いた。 「え?」 それを聞き逃さなかった男に、もう一度だけ言う。 「白。 あなたの周りにいちばん多いもの」 どうかな、と男をみれば 「白…白、白か」 確かめるように、噛み締めるように 繰り返し呟いていた。