しづき




「かわいーよ、汐月。誰よりも何よりも」




探るように男の唇が私の首筋を這う。



くすぐったくて自分でも知らない声がもれる。




「ふふ…その甘い声いーね。いつかベッドでたくさん聞かせてね」




唇が焦点を合わせた。



チクリと甘く痺れるような痛みを植え付けられる。




「ん、やっ」


「もっかいするから暴れないで」




体を押さえつけられ、今度は鎖骨に痛みを刻まれる。



なんかやだ、へん。




「ん。キレーについた」




やっと唇が離された。



余韻すら堪能するように、さっきまで私の肌に触れていた唇をぺろりと舐め上げる男。