しづき




「ありがとー汐月。これでまたコレクションに磨きがかかったよ」


「…そーですか」




ウキウキな男とは反対に私はというと、昔から写真を撮られるのが苦手だったから、もうぐったり。



朝からどうしてこんなに疲れなきゃならないんだろう。




「汐月」




気つけば男がすぐそばに立っていた。



逃げる間もなく顎を掬われて、唇の端にキスをされる。




「…なっ」


「ほんと、ちょーうれしい。汐月がぼくの選んだ服を着て、さらに可愛くなるなんて」




ぎゅうと、腕の中に閉じ込められる。