「白」 どこからか、汐月の声がした。 ぼくは無意識に車から降りていた。 何をしているんだ。 また汐月を拐う気なのか。 拐って、ぼくが消える瞬間までそばにいてもらうのか。 それとも、いっそ心中でもしてしまうか。 汐月、汐月、汐月 思考が思考を呼んで、ずっと先まで続く河川敷を見つめた。 ぼくは、まぶたが強く開くのを感じた。