その夜

お風呂をいただいた私は、食欲がなくそのまま眠ることにした。




「今夜は寝るの別々にしよーか。まだぼくに慣れてないだろうし。変に気張っちゃって寝れないでしょ」




なんて、おかしなところで気をつかってくれた男。



今夜"は"ってのがどうも気になるけど。



その晩はありがたくベッドを広々と使わせてもらった。




ふかふかの毛布に滑りこむと、あっという間に瞼が重くなる。



おかしいな…



神経が興奮していて眠れないと思ったのに。



シーツに染み付いた男の石けんの匂いがやわらかく私を包み込んできて…



やっぱりこの匂い好きだな…なんて思いながら、ひどく安心して眠ってしまった。