しづき



脱衣場で服を脱げば、白が私の体をじっと見つめてきた。



「な、なんですか…」


「汐月が…ぼくでいっぱい……」


「はい?」



意味が分からず自分の体を見下ろせば



「うわ…」



私の肌には、数え切れないほどの鬱血痕と噛み跡が浮き上がっていた。



「やっ、こ、こんなに…」


「ねー、ぼくの体も見て」


「え…」



戸惑いながら視線をやると



白の体には、引っ掻いたあとのみみず腫れと、私と同じく噛み跡がいくつもあった。



それは背中や肩口に集中していて、繋がっている際に私が無意識に付けてしまったものだと分かる。



「あぁ…ちょー幸せ。ぼくたちはお互いの体がこんなになるまで乱れたんだよ。苦しいほどの快楽を共有したんだ」


「気持ち悪いこと言わないでください」


「うれしーなぁ。汐月が…
汐月のすべてがぼくのものに…」



うっとり目を閉じ自分の世界へ入り込んでしまった男を置いて、さっさと浴室へ向かう。



よくあんな恥ずかしいことをベラベラと口にできるよ。



しかも…行為した相手の前で。



やっぱり白はヘンタイだ。



紛うことなきヘンタイだ。



…けど、あまりにいつも通りの彼に、なんだか切ないような可笑しいような感情が湧いてきて。



振り払うように、勢いよく湯船に体を浸からせた。