しづき




「も、むり……」



逃げようと体をよじる。



それでも手首をシーツに縫いつけられて、逃がしてもらえない。



快楽を拒もうとした罰とでもいうように
長くて粘着質なキスを強要される。



覆いかぶさった白が私を囲って、閉じ込められた私はとめどない甘さをくちびるから注ぎこまれる。



残酷なくらい献身的に愛という名の蜜を与え続けられるから、頭も体もクラクラして、毒にすら思えた。




私しかだめで。

私にだけ注がれる情愛。




それは細胞ひとつ残らず、私を支配する。





昔の私は知るよしもないだろう。



愛など以ての外だった私が、際限のない苦しいほどの想いを刻み込まれるなんて。



満たしても満たしても終わりのない目の前の男が、私を熱で濡らした。



涙を作りあげた。




「っぁあ…」




おかしくなりそう──