しづき



唖然とする私を見て、男は迷いなく


「ちょっと待ってろよ」と


足枷の鍵穴にそれを通して




──カチャンと外してしまった。




「どうだ?味方だって信じたか?」



得意げに笑う男。



私は浅くうなずく。



「今からそこへ行こう。逃げるついでにあいつのことも教えてやるよ」



どうやら男は本気で私を逃がす気らしい。



そのトーンに嘘は感じなかった。



「ちなみに、監視カメラもお前の首輪に付いてるGPSも、少しの時間だけ停止させてある」


「!」


「あいつが気づくのも時間の問題ってやつだ。急ぐぞ」



男は私の口から指を抜いた。



異物感がなくなり、ようやく息がしやすくなる。




「俺がお前を助けてやる」




男はそう言って、私の唾液でドロドロな指を味わうように舐めとった。