「偽りで優しくできるなら
監禁なんてしないよ」
綺麗な顔を綺麗に緩ませる白。
濁りかけていた心の一部を
そっと掬い取られた気がした。
「言ったでしょ、誰よりも愛してるって。
ぼくはね、汐月を愛しながら癒したい。
偽りなしの愛を汐月だけに捧げたいんだ。
まぁ偽りと思わせてしまったのは
ぼくの落ち度なんだけどね…」
今度は悲しそうに笑った。
鼻の先がツンとする。
結局、私は白を信じていたみたい。
ううん…信じたかったんだ。
彼の優しさが、愛が、嘘じゃないと。
疑ってしまうことに心がざわついたのも、早くここから出たいと思ったのも
白に愛されていない自分が嫌だったから。
白は私を愛してくれているのだと
心の底では信じていたから。
……あぁダメだ。
完全に心を持っていかれてる。
だって、もう白の言葉が素直に沁み渡っているもの。
この男の愛が嘘だろうと本当だろうと、すべてが分かるまでそばにいればいい。
「心配しないで汐月。
ぼくはどれだけ狂っても、この愛に嘘をつくことなんてないから」
ひどく優しい笑顔。
この人が持つ、独特の包み込むような雰囲気の根源。
その日のご飯も、変わらずおいしかった。



