それからしばらくして
「白」
「……」
「…大丈夫ですか?」
手触りのいい髪を撫でながら訊いてみる。
すると小さく「うん」と聞こえてきた。
ゆっくり、白が私から離れる。
目は腫れていて、鼻が真っ赤で。
それでもなにひとつとして美しさは消えていなかった。
むしろ儚さが増して繊細な綺麗さを感じるほど。
「……え、と。ごめんねいきなり」
白は気まずそうにして目を合わせてくれない。
こんな姿も珍しいものだった。
「ぼく…心のどこかで諦めてたんだ。
汐月がぼくのご飯を食べてくれること」
「……」
「諦めなければいつかって思いながら毎日作ってたんだけど、やっぱり、どっか辛かったみたい」
「……しろ」



