しづき



「違うっ、ごめん…ちがうんだ」



大きな瞳がうるんでいる。



必死に首を振る姿はまるで子どものよう。



「ぼく…うれしくて。
汐月がぼくのご飯食べてくれて。
おいしいって言ってくれて…」



私の言動がまた脳裏に込み上げてきたのか、顔を歪めて、さらに泣きだしてしまった。



「ずるいよ汐月…こんなの…
ぼく、うれしくて…うぅ…」



とめどない涙の粒はボロボロと拭いきれないほどあふれていて。



泣き止むだなんて強がっていたのに



たまらず私が「おいで」と腕を広げれば、母親を見つけた子のように体をあずけてきた。



「ごめんね…白」



胸にうずまるミルクティー色の髪を撫でる。



白は私の背中に手をまわして、服を握って、落ち着くまでけっして離れなかった。