「動かないでね」
男はのそりと私の足もとに膝をついた。
カチャンと音がして足首が軽くなる。
「え」
なんと、男は足枷を外してくれた。
どういうこと…?
そんな視線を向けると、見上げる男はゆるく笑う。
「怖い思いさせてごめん。やだよねフツー、足枷なんて。…ごめん」
二度謝ると、私の足首をやわらかく撫でた。
その手つきは、これから私にひどいことをしてくるようなものとは思えなかった。
「汐月おねがい。ぼくの話を聞いて。…なにもしないから……」
立ち上がった男は遠慮がちに私の手を引いて、再びベッドに座らせた。
そしてその50センチ程度離れたところに男が座る。
ゆっくりと語り出した。



