しづき



「し、汐月…」



心の底からお礼を言ったあと

白がスプーンをゆっくりと置いた。



なにを言うわけでもなく、その顔を伏せてしまう。



「え、し、白…?」



どうしたんだろう…



ずっと拒否し続けたくせに、今さら食べて、ありがとうなんて…



どこまでも身勝手すぎたよね。



きっと不快な気分にさせてしまったにちがいない。



みるみるうちに心配が膨らんでいく。



時間が止まったような、重たい沈黙が流れた。





───ポタ





なにかが落ちた音。

ううん、こぼれた音。




「……白」




白は、泣いていた。