しづき



すると、入るなり一人の店員に声をかけられる。



「おー!久しぶりだな!」



近づいてきたのはなんとも胡散臭さが否めない男性。



長い髪をオールバックでまとめていて、真っ黒なサングラスをしている。



そして目がチカチカするサイケな柄のストールを巻いていて



一瞬どこかの異民族の人かと思った。



「おーいおいおい!女のコ連れてご来店かよ!隅に置けねぇなぁお前も!」



男性は、明らかに白へと言葉を向けている。



一方の白は、見たこともないほど冷めた目付きをしていた。



「汐月ごめん、少し外して」

「え…」



白が私から手を離す。



それに、男性がぴくりと反応した。



「しづき?しづきってお前…あの」

「ほら、あっちのアクセサリーとか見ておいで?」



男性の言葉を遮るように強く背中を押され、私はその場からいったん離脱することになった。