しづき




「お会計は〇〇〇〇〇円です」


「はーい」



白は事も無げに万札を2枚置いた。



ぎょっとする。



待って待って、ブランドとか疎いから全然分からなかったけど、もしかしてここってかなり高級店なのでは?



そしてこの人…本当に仕事してないんだよね?



手に持つお財布にはお札がぎっしり詰まっている。



もしかして白はアッチ系のやばい職業の人だったのかも…と変な想像をしてしまった。



それからお店を出て、あてもなく歩いていると



あるアクセサリー店の前で、白がぴたりと足を止めた。



「…白?」



店内をじっと見つめる白に声をかける。



「あ、ごめん。なーに汐月?」



ハッとしてこちらを向く白。
その反応は、なんだか珍しく感じた。



「あのお店、気になるんですか?」

「…うん。好きなんだ、あそこのアクセサリー」



白が自発的に好みを教えてくれるのは初めてで、新鮮な気持ちを覚える。



「それなら見ていきましょうよ」

「え、でも…」

「ほらほら、たまには自分のことも優先してください」



どう見ても遠慮している白の背中を押して、店内へと入った。