. 二人分の呼吸音がする寝室。 抱きしめると傷に障るからと、代わりに腕枕をされている。 私を見つめては愛おしそうに髪を撫でてくる白。 「ふふ…」 「なに笑ってるんですか」 「うれしくて」 すぐそばには綺麗な顔。 私なんかよりも大きな体、喉仏。 緊張しないわけなかった。 前の恋人とだって、こんなふうに寝たことなんてない。 「そーいえばさ」 「はい」 「汐月はぼくが眠っている間、寂しくなかった?」 「そ、れは…」 おもわず口ごもる。 寂しかった なんて、恥ずかしくて言えない。