しづき



ニヒルで妖しい笑み。



まるで私が逃げられないとはじめから確信しているような笑み。



実際そうなのだろう。


ふと足もとを見て気づいてしまったから。




厳密に言えば、逃げられないのではなく



「逃がさない」ということなのだと。










──私の足首には、重たい足枷が嵌められていた。