しづき



「…そのペアリング、どうするんですか?」


「え?これ?もちろん取っとくよ」


「え、」


「汐月のトラウマを抉ることはしたくない。これを付けることを無理強いはしないよ。けどぼくは諦める気もないからね。いつか平気になるまで取っておく」



平気に…なるまで。



「ネックレスのチャームとして付けるのもいーけど、ぼくはこれを汐月の薬指に嵌めたいんだ」



手をすくわれる。



その姿は王子様のよう。




「汐月…早くぼくに堕ちてね」




それはスローモーション。



ソファに押し倒されれば、眼前を覆う髪をしな垂れさせる美しい白。