しづき



「あいつとの思い出はぼくが塗り替えてあげるから、安心してね」


「……はい」



"どう"塗り替える気なのか。
ちょっと怖くて聞くことはできなかった。



逃げるように視線を外せば、放置された小箱が目に入る。



トラウマを話すことで、無下にしてしまったのではないかと不安になってくる。



白はそんな私の心境を汲み取ったのか

「汐月、だいじょーぶだよ」

と、自身の背に隠した。



「白…ごめんなさい」


「謝んないで。ぼくこそごめんね、やなこと思い出させちゃって」



私はとっさに首を振った。



白が謝ることなどひとつもない。



今回はなにも悪くないのだから。



なんでも過去に結びつけてしまう私のせいだ。
この癖はきちんと直さないと。