しづき



「それでいーんだよ、汐月」


「え?」


「汐月は笑顔がいちばんかわいーんだから。ま、どんな顔でもかわいーけどさ。汐月には笑っててほしいな」



ほっぺをぷにっとつままれる。



痛くはない、優しい手つき。



だんだんと知る。
白は狂っているけど、根がすごく優しい。



だから初めてその姿を見た時も怖いだなんて思わなかったんだ。





普通に出会っていたら、きっと


私はこの人を好きになっていた。





「とはいっても、傷ついた心はなかなか治らない。あの男を完全に忘れろとは言わないけど、気にしなくていーから。そこらへんの草だとでも思っとけばいーよ」


「は、はい」


「まー本音をいえば、ぶっ殺してやりたいけどね。ぼくの汐月のこと傷つけやがって」



むうっと唇を尖らせる白。


今さら驚きはしないけど、綺麗な顔してあいかわらず物騒だ。



「でもそんなことしたら汐月に嫌われちゃうからしない。汐月の気持ち以外いらないし」



白は薄く笑った。



頬を撫でられ首筋を指が伝う。