しづき



心臓が張り裂けそうなくらい鼓動を刻んでいる。


息がうまくできない。




「汐月、だいじょーぶ?」




ベッドの上から声がした。
余裕そうなトーン。


嫌悪感にゾッとする。


慌てて立ち上がり部屋全体を目にした。


脳が、停止する。




「なに、これ」




寝室らしきこの部屋には


──壁一面に私の写真が貼り巡らされていた。