しづき



「白…しりとりが破綻してます」


「だって汐月がいじわるするんだもん!」


「してませんよ。普通に返しただけです」


「してるもん!きらいとかだめとか。ぼくを傷つけるよーなことばっかり!」



むくれる白にクスッと笑いそうになる。



さっきまであんなに怖かった人がなんだこれは。



綺麗な形勢逆転の図だ。



白は、はぁぁと息を吐き出し私の肩に頭を乗せてくる。



ふわふわの髪が耳や首すじに当たってくすぐったい。



「汐月はずるいよ。ぼくが汐月のことぜったいに嫌いにならないって知ってて、ひどいこと言ってくる」


「べつに嫌いになってくれてもいいんですよ?」



むしろそっちの方がありがたかったりする。



「なるわけないじゃん。てゆーかなれないよ。ぼくをこんなにしたのは汐月なんだから」


「私のせいですか…」


「そーだよ。汐月がかわいすぎるせいだもん」



ジト目で見つめられる。
やっぱり子どもみたい。



睨んでいるつもりだろうけど、生来の愛嬌が邪魔してまったく怖くない。