どうして…私の名前─── さっきまで感じていた不思議な安心感が、音を立てて崩れ落ちていく。 私の全身は、瞬く間に怖気でいっぱいになった。 「いやっ!!!」 渾身の力を込め、頑なだった腕から逃げ出す。 刹那、反動で体が弾かれ、いきおいよく床に叩き付けられた。 「いっ……」 痛みの中、判明したのは やはり私はベッドの上に寝かされていたということ。 そしておそらく 誘拐されたのだということ────