「また……、からかっているんですか?」 あたしの心臓はドキドキと加速し始める。 「俺はいつだって本気だったけど?」 真顔で、あたしをじっと見据えて言う増永さん。 胸がキュッとしめつけられる。 呼吸のしかたを忘れてしまうくらいに。 ――いつだって、本気だった……。 いつもカウンターに座っていた理由も? 連絡して、と言った、今の言葉も?