「あれは彼女じゃないよ。姉貴だよ」 「……お姉さん?」 「うん。旦那と喧嘩して、家飛び出して、俺のアパートにしばらく泊まっていたんだよ」 「そう……なんですか」 彼女じゃなくて、お姉さん……。 顔はよく覚えていないけど、背が高いところは増永さんにソックリだったな。 てことは、あたし……。 本当に大バカ者だよ。 勝手に彼女だって思いこんで。 意地悪な態度とって。