彼はそれ以降も、いつもと同じようにうちの店にやってきた。 「パスタランチ」 いつもと同じメニュー。 少し変わったことは、 「たまには別のもどうですか?」 サービス券とチェスの一件で、あたしがほんの少し積極的になったこと。 「無理。俺、パスタに目がないから」 「……そうなんですかぁ」 淡々と対応しながらも、彼の情報を得るたびに、あたしは舞い上がる。