そろそろ、かな。 彼が店を出て行く時間がやって来る。 あたしの体内時計はすばらしい。 彼のタイミングだけは、絶対に外さない。 あたしが読んだとおり、彼は席を立つと、伝票片手にレジへとやって来る。 あたしはレジでスタンバイ。 「ありがとうございます。伝票、お預かりします」 言って、彼の大きな手から伝票を受け取ろうと手を伸ばす。