「なーなー日和《ヒヨリ》ー」

「なに?」

「俺ねー」


うん。
知ってるから、焦らさなくていいよ。

君が気づいていないのも、君がいま幸せなのも知ってるよ。


だから、私の心がこれ以上いたまないように、さっさと言って傷つけて


「彼女できた」

「うん」




夕暮れ時、独りだった。

この世のすべてを呪った。恨んだ



優しさの欠片なんてない暖かな光が、二つ分の影を作る。

黒板には、くだらない罵詈雑言
机には、つまらないほどの暴言

あの日君と出会っても、私はずっと独りだった。