なんでこんなに早くなってんだろ、と本気で思ってしまった。

 一輝は……ほぼほぼ満身創痍の状態だった。

 こいつがこんなになるとは思ってなくて、他人事のように見る。

 ま、他人事なんだけど。

 女子は体育館でバレーの練習らしい。

 休憩挟もうかな、と木陰に行こうと移動すると数人の人影を見かけた。

 目を瞠ってよく見てみると……それは、風音さんと女子数人だった。

 ……何か、嫌な予感がする。

 俺はそう思って、こっそり彼女たちの後をつけた。



 彼女たちが向かった先は……人目が付きにくそうな部室棟。

 こんなところに何が……と考えていると、女子の一人が口を開いた。

「風音さん、あなた珠洲島君とどういう関係なの?」

「え?」

 開口一番そう告げられて、訳が分からない、と言う顔をしている風音さん。