そんな自分が、私は嫌いだ。

　だけど、そんな私でも誰かを変えさせれたなら……それは純粋に嬉しい。

　だからと言って考え方が全て変わるわけではないけれど、最近は私も丸くなった気がする。

　多分、珠洲島君と会ってから。

　私が珠洲島君に良い影響を与えているとしたら、珠洲島君も私に良い影響を与えてくれたんじゃないだろうか。

　そう思えて仕方がなかった。

　でも……だからこそあんな見放されたような、切られたような声色で言われたことに不安を覚えた。

　私が今まで対応してきた人たちも、こんな気持ちになったんだろうか。

　そう考えもしたけど、そんなことで同情はしたくなかった。

　あんな、上辺だけしか見てない人たちにすり寄られたって……嬉しくなんかなんともない。

　当時のことが脳裏によぎってフラッシュバックが起こる。

『風音さん、可愛いね。』

『俺の彼女にならない？』

『これ……あげるよ。君に似合うと思ったんだ。』

　そんな紳士的な言葉を掛けられたって、それには下心が必ずあってまともに取り合わなかった。