私は自嘲気味に思いながら、図書室へと足を進めた。



「はぁ……入りづらい……。」

 私は図書室の前に来たけど、入れずに扉の前でウロチョロしていた。

 変なところで弱気だな、と思いつつ私は扉に手をかけた。

 よし、入るぞ!

 私は「えいっ!」と言いそうな勢いで扉を開けた。

 中には人はいなくてしん……とした空間が広がっていた。

 珠洲島君、まだ来てないのかな?

 そうやってきょろきょろしていると何処からか「うー……。」と声が聞こえてきた。

 驚いて声のしたほうを見ると、カウンターでぐっすり寝ている珠洲島君の姿があった。

 い、いたんだ……珠洲島君。全然気が付かなかった。

 私はゆっくりと彼に近づく。

 物音を立てても彼は起きる気配はなく、瞼を閉じたまま。

 でも、これはこれで好都合かもしれない。

 この状態じゃまともに聞ける状況じゃないし、聞かなくて済む。

 ……って、何そんな弱気になってるんだろう。

 私らしくなくて大きく深呼吸する。

 一旦珠洲島君と距離を取るために近くの本棚の影に入った。