心当たりがありすぎるのと……いっちゃんの情報網に。

 いっちゃん、どれだけ人付き合い多いの……!と言いたくなってしまうほど詳しい。

 でも……私はそんなことないのにな。

 ふっとそんな考えがよぎったけど、払拭するために頭を左右に振る。

 そうだったら、いいな。

 私は前向きに考え直して、「そうかな。」といっちゃんに返した。

 そう言うといっちゃんは迷う暇もないほど「そうだよ!」と即答した。

 そ、即答とは……。

 だけど……少しは自信が持てた気がする。

 こんな私でも誰かを良い方向に変えられるなら、それはそれで良い。

「澪ちゃん、もっと自信もっていいんだよ。」

「……分かった。」

 いっちゃんにそう言われ、私は少し前向きに考えることができた。



 放課後になり、図書室へと向かう。

 正直、気が進まない。

 図書委員なりたてでこんなことは言いたくないけど……珠洲島君とどう接すればいいか分からないから。

 放課後は他の委員さんが部活だから写真部ながらいつも暇を持て余している珠洲島君が当番だ。