その言葉にいっちゃんは「うん。」と頷いた。

「なんかね、前よりも楽しそうなんだ。前は気だるそうにしてたんだけど、最近はそれがないって聞いたんだ。」

 へぇ……そうだったんだ。

 私、珠洲島君のこと知った気になってたけど、やっぱり知らないことのほうが多い。

 うんうんと相槌を打っていると、いっちゃんが急に眼の色を変えて私にこう言い放った。

「多分、珠洲島君が変わったのは澪ちゃんのおかげだね。」

「……へ?」

 私の、おかげ……?

 何のことかさっぱり分からないんですが……。

 そういう意味を込めていっちゃんを見つめると「わ~、熱視線送ってこないで~!」なんて言いながらもこう言ってくれた。

「澪ちゃんが編入してきて珠洲島君とあった頃から珠洲島君、変わったんだよね。それに澪ちゃん、図書委員になったんでしょ?それに、その前から結構仲良くしてたんでしょ?そのタイミングで嬉しそうに楽しそうにしてるんだよ?それは間違いなく、澪ちゃんのおかげでしょ!」

 そう断言されてしまって言葉に詰まる。