教室に戻る時間になり、図書室から出る。

「じゃあ澪ちゃん、また今度ね。」

「はい。では失礼します。」

 そう言って階段で別れた二人。

 風音さんは俺の後ろをついて歩いている。

 さっきのこと、気になる。

 俺は立ち止まって後ろを振り返った。

「ど、どうしたの……?」

 風音さんが突然振り返った俺にそう聞いてくる。

 俺は一回息を吐いてからこう聞いてみた。

「風音さんと平川先輩って……どういう関係?」

真美(まみ)さんと?……んーと、友達、かな?」

 なんか期待してたのと違うものが返ってきて「そういうわけじゃ……。」と零す。

「じゃあどういう意味?」

 風音さんがそう聞き返してくる。

 どういうって……説明するのも難しいんだけど……。

 俺は少し考えてから、ゆっくりと言葉を言う。

「平川先輩とは……いつから知り合いなの?」

 その言葉に風音さんは不可解な表情を浮かべた。

 そこでようやく、自分がどんなに迷惑なことを聞いているかを自覚した。

 また、困らせちゃった……。