……まただ。なんで俺、こんなに嫌な気持ちになってるんだろう。

 風音さんが他の人と仲良く話してるの見てると、無意識にもやっとする。

「あ、そうだ!澪ちゃん、今度家においでよ!莉緒さんも連れて!」

「え、良いんですか?でも、(けい)君が……。」

「いいのいいの!慶も澪ちゃんに来てほしいって言ってたし!週末にでもおいで?」

「じゃ、じゃあ……お言葉に甘えて、今度お邪魔します。」

 そんな話をしていたのが耳に入ってくる。

 何、慶って。家においで?どういうことなの。

 ふつふつとそんな黒い感情が体に回っていくのが分かった。

 ……なんか、これじゃあ嫉妬してるみたいじゃん。

 でも実際そうなのかな。

 こんな気持ち、なったことないもん。

 ……俺、いつから妬くようになったんだろう。

「はぁ。」

 俺は一旦落ち着くために息を吐く。

 少しは収まったけど、これまでいくつもの疑問を持ってきたのだろう。

 数え切れるかな、なんて思っているとホームルームが始まる十分前になった。