風音さんはあからさまに嫌がっている様子で無視、冷たい言葉を返していた。

 確か、これが本来の学校での対応なんだよね……。

 そう考えるとやっぱり分からなくなる。

 人が嫌いなら、俺のことも無視していたはず。先生のことだって。

 だけど、風音さんは俺と仲良くしてくれている。

 風音さんの意図が全く分からないや。

 そう考えながらカウンターに座っていると、風音さんが平川(ひらかわ)先輩に呼ばれ、先輩のもとへと向かった。

 平川先輩とは、三年の図書委員で少しだけだけど俺も面識がある。

 だからと言って、話したことはないけど……。

 風音さんが平川先輩のところに行って、安堵の息を吐いていた。

「澪ちゃん、大丈夫?」

「は、はい、なんとか……。ありがとうございます。」

 あぁ、そうだ。風音さんは何故か平川先輩にも心を開いているんだ。

 なんせ、彼女たちは知り合いらしくて名前で呼び合っている。

 俺のほうが仲良いのに……と思ってしまった。

 そこまで思って、はっとする。