俺はそうやって送って、スマホを閉じた。

 ……分からない。

 彼女のことを知りたいのに、関わっていくほど分からなくなる。

「……何でだろう?」

 ふと、そんな言葉が飛び出した。

 彼女は他の人とは違う。

 それだけはあの日から分かっていた。

 俺があの子に話しかけた時、俺のことを呼びに来てくれた時。

 あの子は……風音さんは何かが違っていたんだ。

 と、いうか……この気持ちは何だろうか?この思考は何だろうか?

 俺はやっぱり、最近変だ。

 気が付いたら風音さんのことばっかり考えてる。

 理由は分からない。

 ただ……彼女のことを確実に気になりだしているのは確かだった。



 今日の朝の活動で正式に風音さんが図書委員になった。

 そのせいで朝の図書室は人がたくさんいた。

 その原因は、もちろん風音さんだ。

 風音さんはその綺麗な容姿で活動しているから、嫌でも人が群がる。

 その姿のせいで女子からは嫉妬や嫌悪、男子からは好意の眼差しを向けられていた。