だから……尚更不思議だ。

 俺はそんな考えを何処にぶつければいいか分からず、部屋に入る。

 姉さんたちは大学の講義でいない。

 一人の空間で考える。

 元はと言えば、俺が余計なことを聞いたせいだ。

『風音さんは……どうして人のことばっか考えてるの?』

 俺がそんなことを聞かなければ、彼女はあんな表情をしないで済んだかもしれないのに。

 そう考えると、俺は居ても立っても居られなくなってスマホのメール画面を開いた。

 宛先はもちろん、風音さん。

 俺は、あんな顔をさせてしまった罪悪感に苛まれる。

 まず謝らなきゃ。

 液晶画面を叩いてメッセージを送る。

 内容はさっきのことに対しての謝罪。

 送って数分してから返信が届いた。

 意外と早かった、と思いつつ風音さんからのメールを見る。

 ……っ!

 俺はその内容に、目を見開いた。

《ううん、珠洲島君が謝ることじゃない。私だって冷たく突き放すような言い方してごめん。……珠洲島君は優しいんだね。》

 ……違う。俺は優しくなんてない。