そのままソファに倒れこむようにして私は寝転んだ。

 ふと、さっきの珠洲島君の顔が頭に浮かぶ。

 どうしてあんな、悲しそうな表情をしていたんだろう。

 きっと私には言えない何か、がある気がするけど……気になってしまう。

 そう考えを巡らせているとき、私はある違和感に気づいた。

 あれ、私、どうして……。

「珠洲島君のことばっかり、考えてるんだろう。」

 さっきから私、珠洲島君のことしか頭にない気がする。

 何でかは分からない。

 でも、一つだけ納得できるものがあった。

 それは……珠洲島君と話しているとき、凄く楽しかったってこと。

 いっちゃんと話してるときも面白いんだけど……純粋に楽しんだ気がする。

 ……うー、分かんない。

 これ以上考えても何も出てこないと思い、私は夕食を取りにリビングへ向かった。

 この気持ちの答えが出るのは、すぐだということを私は知る由もなかった。