でも珠洲島君がそう言うってことは……。

「私、不器用なの?」

 と聞いてみたくなるもので。

 それに対しての珠洲島君の返答がこれだった。

「うん、不器用だよ。っていうかどっちかっていうと無自覚なほうかもしれないけど。」

 む、無自覚……!?

「全く心当たりないんだけど。」

 そう聞いてみると、珠洲島君は「本当?」と返しこう話してくれた。

「今日のことだってね、風音さんが来てくれたじゃん。あれ、本当はずっと不思議だったんだ。」

 不思議……?

「いつもなら先生自ら呼びに来てくれることが多かったんだけど、今日は君が来てくれた。それって、とっても意外なことだったんだよね。」

 どういうこと……?

 言葉の意味が全然分かんない。

 そんな私の気持ちを掬い取ったみたいに、珠洲島君はこう続ける。

「先生ね、心配性だからいつも探しに来てくれるんだけど……人に頼んだりはしないんだよね。その頼んだ人のことも心配するから。だけど君が来たってことは……。」

 そこで珠洲島君は一息吐いてから、こう口にした。