冷酷少女の複雑な恋模様

「風音先輩は芸能界に興味ない?」

「……へ?」

「……ちょ、帷!何言ってんだ!」

 驚いて固まる私と焦る間宮君。

 げ、芸能界……?

 何のことだろうと彼を改めて見る。

 芸能界ってことは、もしかして……。

「あ、先輩初めまして。俺は一年の高瀬帷。気軽に何とでも呼んでねー。」

 ……やっぱり、モデルの高瀬帷だったー!

 いっちゃんから話は聞いていたけど本当だったとは……。

 私はまだ少し信じられずに高瀬君をまじまじと見る。

「せ、先輩!帷の冗談ですよ!」

 私の行動に何を勘違いしたのか間宮君がわたわたと慌てている。

 別に芸能界には興味ないけど……。

「いや、風音先輩そこらのアイドルやモデルより可愛し、ワンチャンいけるって!」

 高瀬君は高瀬君でよくわからないことを言っている。

「絶対アイドルやモデルさんのほうが可愛いでしょ……。」

 私の呟きは悲しいことに高瀬君には届かなかった。

 その後、しつこく誘ってくる高瀬君を間宮君が何とかして抑えてくれた。