冷酷少女の複雑な恋模様

 そこには以前、私がカツアゲから助けた男の子、間宮(まみや)君が一人の男の子を連れてこっちに向かってきていた。

 間宮君はサッカーのユニフォームを着ていて、部活に行く途中らしい。

 それに、間宮君の隣にいる男の子って確か……。

「帷ー!ちょっと待っとけー!」

 間宮君は少し先にいる男の子にそう言って私の目の前に来た。

「先輩、どうしてここにいるんですか?」

 間宮君からそう聞かれて、正直に答える。

「写真部の部室を探してるの。けど、全然見つからなくって……。」

 苦笑しながらそう言うと、間宮君は「案内しましょうか?」と言ってくれた。

「え……いいの?」

 何気なく言ってくれた間宮君に聞き返す。

 間宮君は満面の笑みで「もちろんです!」と言ってくれた。

 じゃあお言葉に甘えて……と返事をしようとした時、間宮君の後ろに一つの影が現れた。

「へぇー、この人が言ってた先輩かぁー。」

 間宮君の後ろから顔を見せたのは、さっき一緒にいた人。

 私のことを嘗め回すように見てきて、こう一言言ってきた。