先生だって面倒事は増やしたくないだろうし、これくらいなら私もできる。

 少しきつく言うと先生はまた「ありがとうございます。」とお礼を言って歩き出した。

 ……そして今に至る。

 それにしても……。

「先生……流石に目が届くところくらいきちんと片付けてください。」

 今私の目の前に広がっている机にはいろんなものが散乱していた。

 結城先生は片付けが苦手だって聞いていたけど……まさかここまでとは。

「最近は仕事が多くて、つい片付けが疎かになってしまうんですよね。」

 そう言いながら先生は乾いた笑みを浮かべる。

 先生って……大変だな。

 私は心の中でそう思って、資料の整理に取り掛かった。

 確かこれを綴じていけばいいんだよね。

 私は近くの椅子に腰かけて、資料を手に取り作業を始めた。

 今の時間は放課後だけど、まだ明るい。

 そういえば今日、図書室行ってないや。

 頭にふっとそう浮かんで昨日のことを思い出す。

 珠洲島君、大丈夫だったかな。ほんとに。

 ……あぁ、一回気にしだしたらダメだ!気になる!