やっぱり、彼が珠洲島君……。

 私がそう返事をすると、いっちゃんからのマシンガントークが始まった。

《会ったんだよね!?珠洲島君、どんな感じだった?いつも彼寝てるから話したこととか私ないから聞きたい~!澪ちゃん、どうだったの!?教えて~!》

「きゅ、急に言われても……。」

 次々と遠慮なく並べられる言葉に私はつい黙ってしまった。

 そんなこと言われても、私だって話したって言えないくらいの言葉数だったし……。

 でもいっちゃんからのお願いを無下にするわけにもいかず、一旦整理してから話した。

「珠洲島君は眠たそうな感じで、話し方は結構普通……だったよ?」

 なんて表していいのか分からずに、そんな言葉になってしまった。

 いっちゃんは何故か感嘆の声を漏らし、私にお礼を言ってきた。

《教えてくれてありがとう!》

 いや、お礼言われるくらいのことしてないんだけどな……。

 一瞬そう思ったけど、余計なことは言わないほうが良いと思い「どういたしまして。」と返した。

 その後は他愛のない世間話をして、二人で盛り上がった。