冷酷少女の複雑な恋模様

「ほら、澪ちゃんもこう言ってることだし写真を大人しく撮らせなさい!」

 ……姉さんの言いなりになるのは癪だけど、澪の要望なら仕方ない、か。

「……分かった。写真くらいいくらでも撮っていいよ。その代わり、早めに解放してね。」

 この期に及んでも澪には勝てないな、と悟りながら謎の撮影会が始まった。



 撮影会も無事に終わり、ほくほく顔の姉さんたちにため息を吐く他なかった。

 次も、とか言いそうだけど絶対に二度としない。

 結構な辱めだったし澪がいたからやっただけであってもうやるものか、と思っていた。

 でも澪が楽しそうにしていたから、チャラにしようかな。

 そう考えながら澪が着替え終わるのを待つ。

 その時、澪のお姉さん……莉緒さんに声をかけられた。

「環君、澪を好きになってくれてありがとね。」

 ……どうしてお礼を?

 むしろお礼を言うのは俺のほうだ。澪と付き合わせてくれているんだから。

 意味がよく分かっていない俺に莉緒さんはおもむろに宙を仰ぐ。

「澪はね、両親とあんまり会ったことがないのよ。うちの両親、単身赴任だから。……それで他人と関わるのが苦手だったり、愛とかをあんまり受けてないんだけどね……。」