冷酷少女の複雑な恋模様

 俺もそんな言葉を返し、澪に微笑みかけると澪の顔が真っ赤に染まっていった。

「青春してるなー。」

 横からそんな野次が飛んできたけど、そんなこと言ってる場合じゃない。

 ……こんな可愛い澪を、姉さんたちに見せたくないんだけど。

「姉さん、もう着替えて良い?」

 若干の苛立ちを覚え、姉さんに抗議すると珠梨姉さんは勢いよく首を左右に振った。

「まだダメ!これから記念撮影するんだから!」

 記念撮影って……別にこんなもの残して何の意味があるんだろう。

 嫌だ、と言おうと口を開いたけど珠梨姉さんの言葉のほうが早かった。

「写真撮らせてくれないと、澪ちゃん解放しないからね。」

 ……澪を引き合いに出すのは、ずるいでしょ。

 さっきもその手に乗ってしまったし、今回ばかりは譲れない。

 そう思って拒否しようとしたけど、澪が口をおもむろに開いた。

「私、写真撮りたい……っ!」

 まさか、澪がそう言い出すだなんて思ってもなかった。

 澪の言葉に驚いて何も言えなくなっていると、勝ち誇ったような笑みを浮かべている珠梨姉さんがこう言い放つ。